SRE不動産という不動産仲介会社をご存知でしょうか?
あまり知られていませんが、SRE不動産は2014年に設立されたソニーグループの不動産会社です。
旧会社名は、ソニー不動産でした。
SRE不動産は、今まで日本では主流ではなかったエージェント制を導入したことで業界に参入した当社は多くの注目を集めました。
それにしてもITを得意とするソニーがなぜ不動産業界に参入しているのか、と疑問に思う人も多いはずです。
そこで今回は、大手IT企業であるソニーがなぜ不動産業界に参入して、どのようなことをやっているのか解説します。
また、SRE不動産の特徴や評判などについても客観的な目線で紹介したいと思います。
このページでわかること
- SRE不動産(旧ソニー不動産)について
- 不動産仲介のエージェント制について
- SRE不動産(エージェント制)のメリット
- SRE不動産の評判・口コミ
- SRE不動産を使うべき人
SRE不動産(旧ソニー不動産)ってどんな会社?
SRE不動産はエージェント制を採用することで不動産業界に新しい風を吹き込もうと2014年に設立されたソニーグループの不動産仲介会社です。
元々は株式会社不動産仲介透明化フォーラムという会社の営業マンが前身のソニー不動産の中核を担い、不動産仲介を行っておりました。
エージェント制とは、買主と売主それぞれの立場に立ち、両手取引を行わないことです。
欧米では売主と買主、それぞれの双方代理を行う両手取引は主流ではなく、欧米の不動産仲介の多くはエージェント制を採用しています。
売主は売主の不動産会社が担当し、買主は売主とは異なる不動産会社を飼い主で立てることが一般的です。
アメリカでは不動産売買を両手取引で行う場合には、不動産会社の責任者(プリンシパル・ブローカー)と売主、買主の三社間の同意が必要で、そのための契約書も存在します。
また、売主は両手取引を禁止することを前提に不動産会社と媒介契約を締結することもできます。
SRE不動産は、両手取引が主流の日本の中で、いち早くエージェント制を採用した不動産仲介会社です。
SRE不動産(エージェント制)のメリットとは?
SRE不動産では、なぜエージェント制を採用しているのでしょうか。
また、欧米の不動産業界では、なぜ両手取引を行う文化があまりないのでしょうか。
それは売主なら売主、買主なら買主の利益第一主義である、というクライアントファーストの考えがあるためです。
両手取引を行うと当然ながら、売主の売却希望価格と買主の購入希望価格とを不動産仲介会社が調整して、双方にとって納得できる着地点を見つけようとします。
交渉をまとめるために、売主側に偏ってしまう場合や買主側に有利な条件で交渉を進めてしまう場合もあり、売主と買主双方の希望を差し置いて、不動産会社の恣意性が働いてしまう場合があるがあります。
欧米では売主側の不動産会社であれば、少しでも高く、売主にとって良い条件で契約がまとまるように努めます。
一方で、買主側の不動産会社も同じく、少しでも安く買主が購入できるよう、買主の代理で交渉を進め、それぞれ一方の利益を最大化するために動くことになります。
エージェント制を採用することは不動産会社の恣意的な行動を未然に防ぎ、売主ならば売主の、買主なら買主のメリットを最大化することができます。
日本の中古不動産マーケットでは数年前には不動産会社による顧客の抱え込みが問題になりました。
この問題とは、希少性のある売却情報を得た不動産会社は両手取引で手数料6%を得るために他社の不動産会社から問合せがあった場合には、すでに買主が見つかったと偽情報を伝えるのですが、自社のお客さんには積極的に紹介するということです。
このような問題もあり、SRE不動産の前身であるソニー不動産ではエージェント制を採用しました。
SRE不動産とヤフー不動産が共同運営する「おうちダイレクト」とは?
「おうちダイレクト」とは、SREホールディングス株式会社(SRE不動産)とヤフー株式会社(ヤフー不動産)が共同で企画・運営する不動産売買に関わる総合サイトです。
おうちダイレクトの最大の特徴は、売主が自らインターネット上で不動産を売りに出す「セルフ売却」と呼ばれるマッチングサービスです。
売主は売却物件の売却価格や広さ、間取りなどの情報を入力して、おうちダイレクト内で買主を見つけることができます。
内覧の調整や契約手続きなどはSRE不動産の営業マンが対応して、仲介手数料がかからないことから注目を集めています。
また、おうちダイレクトに登録された物件はヤフー不動産にも掲載され、そこから売買に繋がる案件の場合もSRE不動産が担当しています。
おうちダイレクトの利用方法について
おうちダイレクトの手続きはとても簡単で、以下のフローの通りです。
- 売却物件の想定成約価格をシミュレーションする
SRE不動産がソニーと開発した不動産価格推定エンジンを用い、独自のアルゴリズムに基づいて膨大な不動産データを基に想定売却価格をはじき出します。
必要事項の入力だけで約1分で想定成約価格を算出することが可能です。
SRE不動産の統計によると、想定成約価格と実際のおうちダイレクトでの売買額の差額は1%前後です。 - 売り出し価格を決める
シミュレーションした想定成約価格をベースに販売価格を決定します。
不動産会社に相談すると、必要以上に安い販売価格に設定されてしまうこともありますが、おうちダイレクトでは売主自身が売却価格を決定することができます。 - 物件情報を掲載する
販売価格や築年数、広さなどの物件概要、フォーマットに沿ってPRを作成します。
また、物件を販売する上で、とても重要である写真も自分で掲載をする必要があります。 - 反応を見ながら買主からの連絡を待つ
買主候補者の反応を見ながら必要に応じて販売価格を変更して、買主が現れるのを待ちます。 - 内覧調整、内覧、契約手続き
内覧の日時調整や内覧対応、契約手続きなど専門知識が必要な場面は、SRE不動産の担当者が対応してくれます。
SRE不動産(旧ソニー不動産)の強み
SRE不動産の強みは、やはりおうちダイレクトがあることです。
不動産業界は大きな金額が動く一方で、これまでIT化が大きく遅れていました。
そこにソニーの強みである情報技術を取り入れて、おうちダイレクトが誕生しました。
個人間売買で、売主は手数料が必要ないということがおうちダイレクトの一番の魅力です。
手数料ビジネスの中でも、不動産売買に伴う仲介手数料は、最も高額なものと言えます。
例えば、5,000万円の物件を売買した場合は、税抜きの正規手数料で156万円という大金を不動産会社に支払う必要があります。
おうちダイレクトの場合、このような手数料が必要ありません。
SRE不動産(旧ソニー不動産)の弱み
おうちダイレクトと持つことがSRE不動産の強みであるならば、SRE不動産の弱みは、同じくおうちダイレクトにあります。
おうちダイレクトで売却を始めると、おうちダイレクト以外、すなわちSRE不動産とヤフー不動産以外の不動産会社を通じて売却することができません。
おうちダイレクトの利用規定では、おうちダイレクトに登録をすることでSRE不動産と売主とで専属専任媒介契約を締結することになり、他社の不動産へ販売を依頼することや自分自身で買主を見つけることですら禁じられております。
おうちダイレクトは売主の仲介手数料が無料である一方で、SRE不動産は買主を見つけ、買主から仲介手数料を得ることができないと成立しないビジネスモデルになっているため専属専任媒介契約を締結することが前提をされています。
また、SRE不動産の前身であるソニー不動産は、ヤフー不動産と提携したことで、おうちダイレクトに登録した物件情報はヤフー不動産の中で掲載順位が高くなり、ヤフー不動産の見た購入検討者の顧客情報の多くはソニー不動産に流れることが起きました。
このことは総合不動産サイトとして公平公正の立場であるヤフー不動産の信認性が大きく揺らぐこととなりました。
ソニー不動産とヤフー不動産の提携によって引き起こされた一連の流れに反発した不動産業界の最大勢力である不動産流通経営協会(FRK)は、ヤフー不動産に物件掲載を取りやめる事態にまで発展しました。
FRKには、三井不動産販売、住友不動産販売、東急リバブル、野村不動産アーバンネットなど大手不動産仲介会社が会員となる巨大組織であり、これらの大手企業がヤフー不動産に物件掲載を行わないことはヤフーにとっては大打撃となりました。
また、おうちダイレクトは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・北海道・愛知県・福岡県のみを対象地域としており、そもそもの商圏が狭いことも利用者にとってはデメリットです。
SRE不動産(旧ソニー不動産)の評判・口コミ
SRE不動産の利用者による口コミや評判は、今後サービスを利用する上で参考になるのでいくつか紹介します。
今回は「Yahoo知恵袋」「NAVERまとめ」「Twitter」よりSRE不動産について参考になる口コミ・評判を抜粋しました。
SRE不動産(旧ソニー不動産)の利用者による良い口コミ・評判
- SRE不動産は利用したことによって想定よりも高く売却することができた
- エージェント制なので親身になって対応してくれた
- おうちダイレクトを通じて売却を依頼した場合、仲介手数料がないので得した気分になった
- SRE不動産は業界の異端児として、営業開始当初はソニーがどのような戦略で不動産業界に割って入るのか注目度は高かった
SRE不動産(旧ソニー不動産)の利用者による悪い口コミ・評判
- おうちダイレクトを通じて売却を依頼した場合、仲介手数料が無料である一方で、専属専任媒介契約を締結させられるため他社の不動産へ販売を依頼することができない
- 不動産流通経営協会(FRK)の反発の影響も大きく、数年に渡り数億円規模の赤字が続いている
- おうちダイレクトに掲載されている成約物件一覧を見ると、各エリアを代表するような物件が少ない
- おうちダイレクトを通しての成約件数はソニーの想定を大きく下回っている
こんな人はSRE不動産(旧ソニー不動産)で不動産を売買するのがおすすめ
SRE不動産は、売却価格や販売価格の変更などを売主自身で決める必要があるため、不動産売買を何件も経験したことがある人であれば、そのあたりの判断が自分自身でできるため、使い勝手が良いかもしれません。
また、売れ筋の物件を持っている所有者も仲介手数料が不要ということで売却費用が抑えられるため有効です。
しかし、買主はヤフー不動産を見た顧客、若しくはSRE不動産が見つけてきた顧客に限られるため、買主のパイが小さく、良い物件であってもFRKに加盟している大手不動産会社に売却を依頼するよりは売却に時間がかかることが想定されますので、その点は注意が必要です。
不動産価格が下落中!?売却を検討している方はお早めに!

不動産価格は景気の動きに大きく左右されます。
公示地価のグラフを見ると、景気の先行指標といわれる株価の動きと同じような形を描きながら少し遅れる形で推移していることからも明らかです。
問題は景気後退の時期です。
消費増税への反動減対策が切れる時期と、オリンピックの終わりがちょうど重なる2020年夏を境に景気が悪化し始めるという見方が大勢です。
実は、不動産の価格下落はすでにスタートしています。
「かぼちゃの馬車問題」に代表されるように、資金力の乏しいサラリーマンに無理やりフルローンを付けて買わせていた投資用不動産が下落に転じました。
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また、売却を検討していなくても、自分が住んでいる不動産の適正価格を知ることは大切なことなので一度、調べてみることオススメします。