REINS(レインズ)という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
不動産取引をする際には必須のサービスなので、不動産関連の仕事をしている人はよく使う言葉ではありますが、一般の人には縁がない言葉かもしれません。
不動産売買を検討している人は知っておいて損はないシステムなので、この記事で勉強してみてください。
具体的にこの記事では
- レインズとはどんなサービスなのか
- レインズを利用できるのは誰なのか
- レインズで物件を検索する方法
- 個人がレインズを利用するにはどうすればいいか
などについて説明していきます。
REINS(レインズ)ってどんなサービスなの?
REINS(レインズ)のサービスについて
REINS(レインズ)はReal Estate Information Network Systemの略で、不動産流通標準情報システムのことを指します。
レインズURL:https://system.reins.jp/
*一般ユーザーはログインすることはできません。
簡単に言うと、不動産屋さんが仕事で使う全国の不動産物件の情報が集められた物件検索サイトのことです。
HOME’S(ホームズ)やSUUMO(スーモ)のようなものをイメージすると分かりやすいかもしれません。
不動産を売りたい人は不動産会社と契約し、レインズに不動産の情報を登録してもらいます。反対に不動産を買いたい人は不動産会社にレインズを使って不動産の情報を検索してもらうのです。
全国の不動産の情報がリアルタイムに掲載されるので、スピーディーに不動産取引を行うことができるようになっています。
このシステムによる情報交換で、毎年10万件以上の売買が成立しています。
不動産取引をする上のインフラ(基盤)と言うこともできるでしょう。
REINS(レインズ)の運営者は?
レインズは指定流通機構と呼ばれる4団体(東日本・中部圏・近畿圏・西日本)が運営しています。
1988年に宅地建物取引業法の改正によりスタートし、国土交通大臣から指定を受けた団体です。
REINS(レインズ)には全ての物件が登録されているの?
国土交通大臣から指定を受けた団体が運営しているシステムなので、全ての不動産情報が登録されているという勘違いをしがちですが、そうではありません。
不動産所有者が不動産会社と結ぶ契約の種類によってはレインズに物件情報が登録されないことがあります。
詳しく説明していくと、宅地建物取引業法では契約の種類は3種類あります。
以下の3つです。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
専任媒介契約は媒介契約締結の日の翌日から5営業日以内、専任媒介契約は媒介契約締結の日の翌日から7営業日以内にレインズに情報を登録しなければならないと宅地建物取引業法(宅建業法)で定められています。
しかし、何社でも売却依頼ができる「一般媒介契約」の場合は、レインズに物件登録の義務はないのです。
▶︎「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の説明とデメリット・メリットについて
REINS(レインズ)を使うメリット・デメリットを紹介
不動産売買を行う際にレインズに登録される場合とされない場合があることをご紹介しました。
では、レインズを使うメリットとデメリットはどこにあるのでしょうか?
REINS(レインズ)を使うメリット
レインズを使う1番のメリットは早期の取引が期待できるということです。
契約が締結されてからレインズに登録するまでの期間が法律で定められているため、物件情報はすぐに全国の不動産会社に共有されます。
全国の不動産会社から情報を見ることができるので、買主を抱えた不動産会社から連絡が多く来ることが期待できます。
また、レインズには過去の不動産取引に関する情報も登録されています。
不動産会社はその情報をもとに相場を想定することができるので、買主・売主の双方が市場価格を把握した上で取引をすること可能になります。
REINS(レインズ)を使うデメリット
不動産を売る際にたくさんの買い手と交渉したほうがいいからレインズに登録したほういいのでは?と思った方も多いと思いますが、レインズを使うデメリットも存在します。
まず一つ目は不動産が売りに出されているということが公開されてしまうという点です。
近所や親族に知られることなく、こっそりと不動産の売却をしたいという場合はよくあります。
知られたくないに関わらずレインズに情報が登録されてしまうと、全国の不動産会社から見ることのできる状態になってしまうので、不動産の売却を進めていることが伝わってしまう可能性があります。
こういった状況の時はレインズに登録する義務のない一般媒介契約を結ぶことをオススメします。
二つ目は条件の良い物件の場合、不動産会社が両手仲介を進めようとする場合もあるという点です。
専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合は1社の不動産会社としか契約ができないため、多くの買い手が付きそうな物件(駅近、築年数が浅い、立地が良い)である場合は注意が必要です。
売却を依頼している不動産会社が理由をつけてレインズ経由の申し込みを断ってしまうことがあるのです。
両手仲介そのものが問題ではないのですが、利益相反行為が起こりやすい契約ではあると言えます。
REINS(レインズ)は個人の利用はできない?
レインズを利用できるのは、指定流通機構に登録している不動産会社だけです。
指定流通機構に登録されるには全国宅地建物取引業協会連合会、前日本不動産協会、不動産流通経営協会 、全国住宅産業協会に加入している不動産会社である必要があります。
不動産を買いたい、売りたいという場合に指定流通機構に登録し、レインズを使用することはできないのです。
しかし、レインズの情報を公開していくとう動きは少なからずあり、2016年1月から売り主が自分の物件についてレインズに登録されているか、どのような内容で登録されているかを確認できるようになっています。
全ての情報が公開されることは難しいかもしれませんが、レインズの使用が公開される未来もありえるかもしれません。
個人が不動産物件・不動産相場を調べるには?
レインズは不動産会社しか見ることができませんが、一般の人でも不動産売買に関する情報を調べることができるサービスも存在しています。
不動産会社に売買を任せっきりだと不利な取引に繋がる可能性も否定できないので、自分自身でも情報を集めながら取引を進めていくことをオススメします。
不動産ジャパン
個人が不動産物件を探すには「不動産ジャパン」というサイトがあります。
公益財団法人 不動産流通推進センターが運営するサイトです。
ハトマークサイト、FRKインターネット会員 物件情報、ラビーネット不動産、全住協ネットから物件情報を集約し、提供しています。
レインズと100%同じ情報ではありませんが、実質レインズの物件情報が公開されていると考えて良いと思います。
情報量が多いのと、情報掲載のスピードが早いので、民間不動産情報サイトと比べても情報の質が圧倒的にいいです。
最新の物件情報を一般人が調べるには1番おすすめのサービスとなります。
レインズマーケットインフォメーション
個人が不動産の成約価格や取引情報を調べるには「レインズマーケットインフォメーション」というサイトがあります。
レインズと同じ指定流通機構が運営しています。
個別の不動産取引が特定できないような情報ですが、直近1年間の取引情報を調べることができます。
間取りや面積、築年数や成約時期が調べられます。
【まとめ】レインズのデメリット・メリットを把握して不動産取引を進めよう
納得のいく不動産売買をするにはレインズを有効活用していくのも重要です。
売り主と買い主のマッチングをスピーディーに進めていくことが可能になります。
しかし、レインズに登録するだけでは不十分です。
不動産会社だけしか見られないシステムであるからこそ、しっかりと情報を集めていくことが必要です。
一般人でも使うことのできる不動産ジャパンやレインズマーケットインフォメーションを活用していきましょう。