都心の利便性が高いマンションは価格上昇の一途を辿っており一般人にとっては高嶺の花になっています。
価格の安さや住みやすい生活環境などを求めて郊外の分譲マンションを購入することを検討している人も多いはずです。
では、最近の郊外の分譲マンション市場はどうなっているのでしょうか?
そこで今回は、郊外マンションの価格動向について、供給状況や資産価値、駅力、狙い目の物件に至るまで解説します。
郊外の分譲マンションの価格動向
郊外の分譲マンションも都心部と同様に価格上昇のトレンドが浸透しています。
下記は首都圏の新築マンションの供給・価格動向の推移です。
年度 | 平均価格 | 前年比 |
2014年 | 5010万円 | +5.8% |
2015年 | 5256万円 | +4.9% |
2016年 | 5686万円 | +8.2% |
2017年 | 5884万円 | +3.5% |
2018年 | 5962万円 | +1.3% |
2019年 | 5980万円 | +0.3% |
新築分譲マンションの平均価格は2000年代前半は4000万台を下回っていましたが、2014年以降は5000万円を超えています。
また、価格上昇に伴い、占有面積は縮小傾向にあります。
価格を抑えるため専有面積も2002年の81.89平方メートルをピークに、2019年には70平方メートルを切るまでに縮小してしまいました。
割安感と広さという意味では、郊外物件のメリットは薄れつつあります。
郊外でも「駅力」重視の傾向
郊外でもいわゆる「駅力」を重視する傾向が強まっています。
販売好調のマンションは、最寄り駅が急行が停車する駅、あるいは徒歩5分以内の好立地が目立ちます。
例えば、特急が停車する駅である小田急小田原線本厚木駅周辺では、ペデストリアンデッキ直結のザ・パークハウス本厚木タワー(三菱地所レジデンス)を筆頭に、大和ハウス工業やタカラレーベン、長谷工コーポレーションなどが同時にマンションを発売しています。
郊外の分譲マンションの供給状況について
首都圏のうち郊外と呼ばれるエリア(東京都下、神奈川県、千葉県、埼玉県)の新築分譲マンションの事業主別供給棟数を見ると、マンション市場が活発だった2000年代前半は新興デベロッパーや地場企業が過半数を占めていたことがわかります。
しかし、リーマンショックを契機にして、2000年代後半から現在に至るまで大手デベロッパーが上位に名を連ねています。
郊外マンションの狙い目な物件とは?
市況高騰の郊外の分譲マンションで狙い目の物件はあるのでしょうか?
実は郊外マンションは、駅から遠い物件が狙い目です。
ただし、駅から遠い物件は、「商業施設から近い」ことが条件です。
野村不動産が横浜市内で販売中のプラウドシティ日吉は、マンション施設内の商業施設「ソコラ日吉」を野村不動産自身が開発しています。
日吉駅から徒歩10分の悪条件ですが、商業施設の存在を購入者に訴求しています。
商業施設にとっても総戸数1320戸のプラウドシティ日吉が隣接することで十分に事業が成立するメリットがあります。
まとめ
ここまで郊外マンションの価格動向について、供給状況や資産価値、駅力、狙い目の物件に至るまで解説しました。
郊外の分譲マンションも都心部を追随するように価格上昇が続いています。
特に最寄り駅が急行が停車する駅、あるいは駅まで徒歩5分以内の好立地は、都心部と変わらない価格のマンションもあります。
しかし、少し駅から遠くても、商業施設から近いことを条件に探せば、魅力的な物件はまだまだ存在します。
総合地所(長谷工コーポレーションの子会社)が横浜市内で販売する総戸数439戸数のルネ横浜戸塚は、戸塚駅から徒歩12分ですが、マンションの隣にイオン系列のスーパーマーケットがあることを売りにしています。
少し駅から遠いですが、このようなマンションは利便性も悪くなく、資産性も十分に期待できます。
郊外マンションの割安感が薄れている現在、供給戸数が大幅に回復することは考えづらいので、自分の条件に合う物件があれば積極的に購入することを検討すべきです。