横浜市瀬谷区の北部に位置する「 上瀬谷 」エリアは、かつての米軍施設跡地という歴史的背景を持ち、現在は官民一体となった都市再生プロジェクトが進行中の地域です。
上瀬谷とはどんな場所か?
地理的概要
- 所在地:神奈川県横浜市瀬谷区北部(主に上瀬谷町および瀬谷町の一部)
- 最寄駅:相鉄線「瀬谷駅」、東急新横浜線「新横浜駅」からも連絡予定
- 面積:約242ヘクタール(東京ドーム約51個分)
歴史的背景
上瀬谷地区は、戦前は農地が広がる地域でしたが、1945年の終戦後に接収され、米軍上瀬谷通信施設(Kamiseda Communications Site)として使用されました。
- 接収:1945年(昭和20年)
- 返還:2004年(平成16年)に全域返還(ただし一部返還は2001年)
返還後は農地・草地のまま放置されていた部分も多く、再開発計画の構想は10年以上の検討を経て進行しています。
上瀬谷の再開発プロジェクト(都市再生特別地区)
基本計画の概要
横浜市は上瀬谷地区を「都市再生特別地区」として、国土交通省より認定を受けています。この計画の中核は、以下の3つに集約されます。
- 国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の開催地
- 広域観光拠点の整備(テーマパークや商業施設)
- スマートシティの先進モデル開発
国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」
基本情報
- 開催期間:2027年3月~9月(予定)
- 開催主体:日本政府・横浜市・国際園芸家協会(AIPH)
- テーマ:「幸せを創る未来の風景」
- 目的:持続可能な都市づくりと地域の国際発信
博覧会開催後も跡地利用として大規模公園やスマート農業の推進区域として活用が計画されています。
上瀬谷の開発に関わる交通インフラ整備
新たな鉄道構想
✅ 相鉄・東急直通線「新横浜駅」方面への延伸案
上瀬谷には新交通システム(LRTなど)を導入し、瀬谷駅からのアクセスを強化する構想があります。
- 横浜市が計画を策定中(令和5年時点で詳細検討段階)
- 複数の交通モードが検討対象(LRT、BRTなど)
瀬谷区における経済・地域活性への影響
上瀬谷地区の再開発は**「地域経済の活性化」と「人口減少対策」**の両面で大きな意味を持っています。
地元住民・企業の期待
- 観光資源の創出
- 雇用の創出(園芸博・建設・サービス業)
- 若年層定住に向けた魅力創出
公的支援・制度
- 国の「都市再生緊急整備地域」に指定
- インフラ整備への補助金(国交省・横浜市の共同事業)
環境保全と歴史的価値の保護
生態系と農地のバランス
上瀬谷は里山的環境を含む自然が今なお残っており、生態系や景観の保護が課題です。
- 環境アセスメントを横浜市が実施
- エコロジカルネットワークの形成を意識した整備
旧上瀬谷通信施設の遺構
一部の**軍用通信施設跡地(防衛省管理施設)**は文化資産としての保存も議論されています。
再開発に対する課題と現状の取り組み
懸念事項
- 交通混雑や周辺住民の生活環境への影響
- 民間事業者の選定と利害調整の遅れ
- 地権者との調整(地権は一部農業者が保有)
横浜市の対応策
- 公民連携によるPFI(Private Finance Initiative)手法導入の検討
- 地域説明会やパブリックコメントを継続開催
- 地元高校・大学と連携した住民参加型ワークショップ
まとめ:上瀬谷は横浜の未来を担う「都市の再出発点」
上瀬谷はかつての米軍施設という歴史的遺産を持ち、今後は都市・農・観光の融合モデルとして全国的な注目を集める地域です。
🌿「GREEN×EXPO 2027」を契機に、国内外からの人流・投資・情報が集まり、新しい都市のかたちがここから始まります。
今後も行政・市民・民間が一体となって、持続可能な未来都市をつくることが求められています。


