豊洲のタワマンに「タワマン貧乏」が多い理由とは?実際に購入した筆者が考えるメリットとデメリットをわかりやすく解説!

「タワマン貧乏」という言葉をご存知でしょうか?

タワマン貧乏とは、タワーマンション(以下タワマン)を購入したのですが、住宅ローンの支払いで生活がカツカツの人のことを指します。

実は筆者が住む豊洲は、タワマン貧乏が最も多いエリアです。

「職住近接」の観点から豊洲は都心のオフィス街にアクセスしやすい立地です。

そのため通勤しやすい環境を求めて多くの子育て世代の若いサラリーマンが豊洲などの湾岸エリアのタワマンを購入しています。

しかし、現実は見栄を張り身の丈に合わない高額なマンションを購入したことによって多額の住宅ローンの支払いに追われています。

その他にも「タワマンカースト」という言葉が生まれるように、タワマン社会には独特の近所付き合いが存在し、普通では考えられないように出費があることも事実です。

そこで今回は、実際に豊洲のタワマンを購入した筆者が、タワマン貧乏の実態について解説すると共に、タワマンのメリットとデメリットについても紹介します。

タワマンとは?

豊洲のタワマンについて解説する前に、そもそもタワマンとは何なのかご存知でしょうか?

一般的にタワマンとは、20階以上のマンションのことです。

国内最初のタワマンは埼玉県の与野ハウスです。

与野ハウスは1976年に、21階建て、総戸数463戸のマンションとして建設されました。

当時は日本初のタワマンとして大きな話題になりました。

その後、都内でもタワマン開発が進み、1997年には、西新宿の再開発に伴い、20階建ての西新宿パークサイドタワーが建設されました。

東京オリンピックの選手村「晴海フラッグ」がある中央区には多くタワマンがありますが、このエリアの開発は1998年から始まりました。

2002年、港区の汐留駅周辺に総戸数1000戸の東京ツインパークスが建設され、タワマン建設ラッシュのピークを迎えました。

タワマンが密集するエリアとは?

現在、東京23区には、400棟以上のタワマンが建っています。

その総戸数は、13万戸にも及びます。

23区外も含める都全体では441棟、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏も含めると合計700棟以上のタワマンがあります。

その中でも、港区には70棟、江東区に60棟のタワマンがあり、この2つの区だけで首都圏のタワマンの約20%が密集しています。

港区には、先ほどすでに紹介した東京ツインパークスをはじめ、赤坂、麻布、青山の「3A」と呼ばれるエリアを中心に、六本木や白金、高輪にも多くのタワマンが建設されています。

筆者が住む江東区は豊洲や有明、東雲など湾岸エリアを中心にタワマンが乱立し、2000年以降は総戸数1000戸以上の大規模物件も次々と建設されました。

湾岸エリアは、日本屈指のタワマンが密集する場所になりました。

元々、江東区は工業地帯で、埋立地でもあることから土地の価格が安いです。

そのため港区や千代田区などと比較すると、リーズナブルな価格でタワマンを購入することができます。

また、東京ではありませんが、武蔵小杉にも多くのタワマンがあります。

現在は15棟のタワマンがこのエリアにあり、今後も3棟が建設予定です。

武蔵小杉は成田エクスプレスの停車駅であるため成田空港まで直通である点や千代田区や中央区などの都心には少ないファミリー向けの商業施設やレストランが多いことから子育て世代のサラリーマンを中心に人気です。

しかし、2019年、台風19号の影響で一帯は大規模に冠水し、一部のタワマンでは浸水被害により地下の電気設備が故障するなどの被害が出たことで悪い意味でも有名になりました。

実際に筆者も豊洲のタワマンを購入

筆者は2018年に豊洲のタワマンを購入しました。

2018年は、日本の不動産価格が大きく伸びた時期でした。

下記は日本の新築マンションの平均価格の推移です。

年度 平均価格 前年比
2014年 5010万円 +5.8%
2015年 5256万円 +4.9%
2016年 5686万円 +8.2%
2017年 5884万円 +3.5%
2018年 5962万円 +1.3%
2019年 5980万円 +0.3%

2014年当時は平均価格は5010万円だったのが、2018年には6000万円近くにまで上がっています。

当初は港区や千代田区のタワマンを探していましたが、都心のタワマンは手が届かない価格になっていました。

そのため職場のある東京駅へのアクセスが良いことを条件に、周辺エリアのタワマンを探した結果、豊洲の雰囲気を気に入り購入を決意しました。

豊洲は東京都江東区に位置します。

1923年の関東大震災の瓦礫処理で豊洲や東雲などが埋め立てられました。

長らく工業地として使われ、東京都港湾局専用線の路線網が整備され貨物列車が行き交う風景が豊洲の日常でした。

1980年代後半までは、石川島播磨重工業などの工場や新東京火力発電所、各種物流倉庫が存在しました。

その後、1992年の豊洲センタービルの完成を皮切りに区画整理が本格化し、住宅地や商業地への移行が進みました。

さらに大規模な高層オフィスビルやタワマンの建設も進み、都心に近いという立地条件の良さもあり人気の住宅地となりました。

現在、豊洲には35棟以上のタワマンが建っています。

全国でも最もタワマンが密集しているエリアの一つです。

このように発展を遂げた豊洲ですが、なぜ豊洲のタワマンの住民には「タワマン貧乏」が多いのでしょうか?

豊洲にタワマン貧乏が多い理由とは?

タワマン貧乏とは、タワマンを購入したのですが、住宅ローンの支払いなどに追われ生活がカツカツな状態の人のことです。

あまり知られていませんが、実は豊洲はタワマン貧乏が多い地域です。

豊洲などの湾岸エリアは、地方出身者が多いとも言われています。

大学入学や就職のときに東京に出てきた地方出身者で、それなりに成功を収めた方が豊洲を選んでいます。

「ニューカーマー」とも呼ばれています。

港区や千代田区などのタワマンは1億円超が当たり前で、総合商社や銀行などに務めるエリートでも手が届きません。

しかし、豊洲のタワマンは、都心へのアクセスが良く、価格も港区や千代田区などのタワマンと比べると安価なためサラリーマンでも十分に購入することが可能です。

このような理由から地方出身のサラリーマンが豊洲などの湾岸エリアのタワマンを購入することが多いですが、豊洲といえど7000万円〜1億円の物件がほとんどです。

つまり豊洲のタワマンに住むニューカーマーたちは1億円近くの住宅ローンを組んで、その返済に追われる「タワマン貧乏」の日々を送っています。

タワマンのメリット

下記は筆者が考えるタワマンのメリットです。

  1. 交通アクセスが良い
  2. セキュリティが充実している
  3. 周辺施設が充実している

それでは、それぞれについて確認していきましょう。

交通アクセスが良い

タワマンに住む最大のメリットは、交通アクセスが良いことです。

その地域のランドマークになることが多いタワマンは駅近に建設される傾向があります。

最近では駅直結のタワマンも珍しくありません。

筆者が住む豊洲も駅まで徒歩5分圏内のタワマンがほとんどです。

また、豊洲は、東京メトロ有楽町線だけではなく、ゆりかもめのが通っています。

東京駅や大手町、有楽町、銀座まで5分〜10分程度、品川や六本木も15ほどで行くことができます。

都内のターミナル駅に快適なアクセスが可能な環境です。

通勤、通学だけではなく、休日のお出かけまでゆとりのある生活を送ることができます。

セキュリティが充実している

タワマンはセキュリティが充実していることもメリットです。

セキュリティの充実は、家族がいる方にとって物件選びのポイントになります。

筆者が住む豊洲のタワマンでは、朝8時から夜20時までエントランスにコンシェルジュがいます。

コンシェルジュにはクリーニングやリフォームの相談、共用施設の予約を依頼することができます。

また、マンション内の防災センターの管理人が定期的に見回りしています。

防犯カメラもあちこちにあるのでセキュリティに安心感があります。

都内の最高級タワマンは24時間の有人管理が標準になっています。

周辺施設が充実している

タワマンが建設されることは、そのエリアに住む人口が増えることになります。

そのため周囲には、スーパーマーケットやレストラン、病院などがオープンするようになります。

豊洲の「ららぽーと豊洲」は子育てファミリーを中心に人気の高い商業施設です。

大規模物件であればあるほど住民が増えることになるので、周辺施設が充実します。

実際に豊洲のタワマンでも徒歩5分圏内で生活に必要な全てのものを揃えることができます。

タワマンのデメリット

次にタワマンのデメリットを紹介します。

下記は筆者が考えるタワマンのメリットです。

  1. エレベーターや駐車場の待ち時間が異常に長い
  2. 災害時にエレベーターが停止する
  3. 眺望の良さにすぐに飽きる
  4. 共有施設に価値はない
  5. 売却や賃貸に出す場合ライバルが多い

それぞれについて詳しく説明します。

エレベーターや駐車場の待ち時間が異常に長い

エレベーターや駐車場の待ち時間が長いことはタワマンの宿命です。

特に朝のエレベーターは最悪です。

通勤時間帯はエレベーターの利用者が多いことから、住んでいるフロアから地上に降りまでの時間とマンションを出てから駅に着くまでの時間がほぼ一緒です。

筆者が住むマンションは駅まで徒歩5分ですが、エレベーターの待ちを含めると、朝のラッシュ時は10〜15分ほど余裕を持って出る必要があります。

また、駐車場に関して平置きであれば問題ないのですが、機械式駐車場は待ち時間が異常に長いです。

週末は多くの方が駐車場を利用するので、順番待ちでヤキモキすることが多々あります。

災害時にエレベーターが停止する

日本は地震が多い国です。

そのため大きな地震が発生した場合、非常用の電源設備があっても一時的にエレベーターがストップします。

停止している間に、昇り降りするためには階段を利用するしかありません。

自分のフロアまで昇るにしても、地上に降りるにしても高層階に住んでる方は大変です。

ご年配や小さな子供がいる方は、もしもの時は大きな負担になります。

タワマンは、耐震構造・免震構造・制振構造など、地震に対する設計が施されています。

しかし、2019年の台風19号では、武蔵小杉の一部のタワマンで大きな浸水被害に遭ったように、大規模の災害時には常に想定外が発生します。

今後30年間に70%の確率で起きるとされる首都直下地震はタワマンにとって大きな恐怖です。

眺望の良さにすぐに飽きる

筆者は50階以上のタワマンの48階の部屋を購入しました。

豊洲運河が流れ、その先の塩浜・木場エリアにかけては高層の建物が少なく、その先のスカイツリーまではっきりと見える眺望の良さがあります。

また、IHIの本社ビル、豊洲キュービックガーデン、アーバンドックパークシティ豊洲があり、少し眺望が遮られてしまう印象がありますが、その先には都心の高層マンション、ビル群、レインボーブリッジが見える絶好の環境です。

夜は高層ビルやレインボーブリッジの夜景が美しいのでボーッと眺めながら贅沢な時間を過ごせます。

筆者もタワマンに住むからこそ得られる美しい眺望を気に入って購入を決めました。

しかし、購入の決め手になった眺望も1ヶ月もすれば飽きます。

バルコニーに出る回数はぐっと減り、眺望に対する関心はなくなります。

共有施設に価値はない

タワマンの中には多くの共有施設があります。

フィットネスルームやミーティングルーム、ゲストルーム、パーティールーム、スタディールーム、キッズルーム、大浴場など覚えることができるほどです。

どの施設もあると便利ですが、利用する頻度は低いです。

2018年から現在までこれらの施設を利用したのは2回だけです。

頻繁に利用されている方もいるようですが、それでも数ヶ月に1回のペースのようです。

つまりタワマンの共有施設にはほとんど意味がありません。

しかし、それらを維持するために高い管理費や積立修繕金を支払わなければなりません。

売却や賃貸に出す場合ライバルが多い

タワマンは総戸数が多いので売却や賃貸に出すことを考えると、競合物件は、同じマンションの他の部屋になります。

高く売却された実績があればプラスになりますが、売り急いで安価で売却された部屋があると、その価格に流されてしまい、高額売却が難しくなります。

最近は同じようなタワマンが乱立しているので、ライバルは以前よりも多くなっています。

売却や賃貸を出す前提でタワマンを購入される方は注意してください。

豊洲のタワマンを買って後悔した理由

タワマンは多くの方にとって憧れであるように、タワマンに住む人たちもかつてはタワマンに憧れて購入に至っています。

なぜならば紛れもなく筆者もその一人であるからです。

確かにタワマンに住むことの恩恵を受けることもありました。

駅近であることの利便性やセキュリティの充実、タワマンに住んでいるという自己肯定感やステータスには筆者も満足していました。

しかし、それ以上に、タワマンに住むことは大変です。

エレベーターや駐車場の待ち時間、使わない共有施設を維持するために支払う管理費や積立修繕金にはイライラすることもあります。

しかも、どれもタワマン価格になっているので高額です。

そして何よりタワマンは災害に脆弱です。

豊洲は同じ工業地帯の跡地に多くのタワマンを建設した武蔵小杉と比較されることが多いです。

武蔵小杉は神奈川県川崎市中原区に位置し、日本電気(NEC)玉川事業場や三菱ふそう川崎工場などが建っている工業地帯でもあります。

現在、武蔵小杉には15棟のタワマンが建っています。

全国でも18番目にタワマンが多いエリアで、今後さらに3棟が建設される予定です。

2019年、武蔵小杉は台風19号の影響で一帯は大規模に冠水し、一部のタワマンでは浸水被害により地下の電気設備が故障するなどの被害が出ました。

地盤の緩さ、海や河川などの水が近いなどの点では豊洲も同じです。

自然災害が多い日本で、高いお金を支払って住むのには、少なくとも豊洲のタワマンはあまりにも自然災害に弱すぎます。

豊洲は、埋立地でありますので、そもそも地盤が緩いです。

工場が多い背景には、このように地盤が緩いので、大きな土地を安く借り上げることができるからです。

下記は、大きな地震が台風がきた場合に想定されるタワマンの被害です。

  • 電気系統や排水設備は地下に設置されていることが多いため電気や水道が停止する
  • エレベーターが停止し、高層階の住民は階段で地上まで降りないといけない
  • 免震構造を採用しているタワマンでは、大きな台風が起きた場合、震度3〜4と同じ揺れを感じる
  • 地下の駐車場やトランクルームが水害に遭う
  • 豊洲のように海や河川などの水が近い物件では、水増大により逆流し排水管にダメージを負う

これは全て豊洲の一部のタワマンが経験したことがある内容です。

また、新型コロナウィルスのような感染症は、多くの人が住むタワマンにとっては大敵です。

多くの人が利用するエレベーター、共有施設、換気が難しい内廊下などは全てウィルスを拡大させるためには好都合な条件です。

万が一、どこかのタワマンでクラスターが発生した場合、タワマンの価値が下がる可能性は否定できません。

まとめ

ここまで実際に豊洲のタワマンを購入した筆者が、タワマンのメリットとデメリットについて解説しました。

また、筆者が豊洲のタワマンを買って後悔した理由も紹介しました。

しかし、豊洲のタワマンを購入して満足されている方も大勢いらっしゃいます。

タワマンの購入は大きな買い物です。

筆者の経験を紹介したことで、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。