ハワイ不動産を買うと節税になるのは嘘?減価償却費についても解説

ハワイ不動産の購入による節税は、仕組み(減価償却)をしっかりと把握すればまだ有効です。

このページでは、ハワイ不動産の減価償却費を用いた節税についてどこより分かりやすく解説します。

また、どのような不動産を購入することが所得税の圧縮に繋がり、さらには売却時の値下がりリスクも低く、税効果が高い買い物ができるのか、物件選びのポイントについても紹介します。

このページでわかること

  • 不動産の減価償却費を用いた節税について
  • 不動産の減価償却費を用いた節税の注意点
  • ハワイ不動産購入の節税効果について
  • 不動産投資の出口戦略について

ハワイ不動産の購入で節税は可能

日本の法人税は世界的な潮流もあり、年々下がってきていますが、個人の所得税は数十年前から日本の貴重な財源ということもあり、高止まりしています。

2015年以降、4,000万円以上の所得の人は住民税も含め、55%の税率が課されており、実に給料の半分以上もの税金の納付が必要になります。

せっかく一生懸命働いても実際の手取り額は半分も手元に残らない上、アフタータックスの収入から家賃や飲食代などの生活費を拠出することとなり、かねてから特に税率の高い富裕層には所得税率の高さが懸念事項となっています。

つまり家賃20万円の物件に住むとなると所得税や住民税などの税金を支払ったあとのアフタータックスで 20万円を支払う必要がありますので、税引き前で45万円ほどの収入が必要になることを意味します。

では、この所得税を少しでも圧縮する方法はないのでしょうか。

富裕層の中で広まっているのが不動産の減価償却費を用いた節税です。

 

不動産の減価償却費を用いた節税とは?

減価償却費とは、実際に稼働すると考えられる法定耐用年数の期間内で、固定資産の価値を少しずつ減らしていく処理のことを指します。

不動産や車の他、実は事業用として利用していれば冷蔵庫やデスク、イスなども日本の税務署が法定耐用年数を定めており、毎年一定額が経費計上できる仕組みとなります。

少し難しい言い回しとなってしまいましたが、分かりやすく言いますと法定耐用年数10年のものを100円で購入した場合、毎年10円ずつ価値が減額され、その減額分を経費として見ることができるという仕組みで10年で価値がゼロになるということです。

実はこの減価償却に用いる法定耐用年数には、日本人の几帳面な性格がよく出ておりまして、実は上記に挙げた冷蔵庫やデスク、イス以外にも繁殖用や種付け用の馬や牛にも事業用であれば法定耐用年数が存在し、りんご樹やなし樹などの動物や生物にも一つずつ法定耐用年数が定められております。

不動産の減価償却費を用いた節税の注意点

少し話が脱線しましたが、この減価償却費がどのように節税につながるのかと言いますと、減価償却費を経費としてバランスシート上で計上し、単純に会社の利益、若しくはその減価償却費に事業性があれば、個人の給与所得と損益通算ができるということです。

そのため、所得税・住民税率が55%と高所得者であればあるほど、多額減価償却費を得ることができれば、翌年の確定申告後に所得税・住民税が還付されるという仕組みとなります。

ただし、一点注意が必要になります。

減価償却費が高いものを大量購入しても実際にそのものをあまり利用しなかったり、若しくは売却をする際に値段が付かないものですと税効果が半減してしまいます。

例えば、数年落ちの高級外車を購入し、2年の法定耐用年数で減価償却費を計上し、所得税対策に繋げる方もいますが、日本ですと一部の車を除き、2年で車の価値は急落しますので、実際に購入した金額と売却した金額に差異が出ることになり、キャッシュフロー上はマイナスが出てしまいます。

では、どのようなものを購入するのが所得税の圧縮に繋がり、売却時の値下がりリスクが低く、税効果が高い買い物になるのでしょうか。

ずばり、「ハワイ不動産」です。

不動産ですので、そもそもの価格が高いため、耐用年数が長くても一年間の減価償却費も大きくなりますが、築年数が一定期間経過した不動産については短い耐用年数にて多額減価償却費の拠出が可能になります。

そういった意味では日本の不動産も当然ながら高額になりますので、減価償却費を用いた所得税の圧縮が可能になりますが、ハワイ不動産をお勧めする理由は日本の不動産とくらべものにならないほど高い「建物評価額」です。

実は不動産といっても土地はどんなに使っても経年劣化をすることはありませんので、法定耐用年数がありません。

そのため、不動産といっても法定耐用年数があるのは建物部分のみとなり、建物が一定の法定耐用年数に基づいて、毎年減価償却することとなります。

減価償却費の計算方法は売買価格に対象不動産の建物部分の比率を掛け合わせることによって算出します。

この建物比率は固定資産税の評価額から割り出すこととなりますが、日本の不動産は土地が40%に対し、建物が60%が平均的な割り合いとなります。

つまり、10,000万円の物件を購入した際は、建物の評価額である60%を掛け合わせた6,000万円が法定耐用年数に基づいて減価償却することになります。

ここまで読み進めた皆さんであれば、はっと気づくと思いますが、この建物評価の割り合いが高ければ高いほど、減価償却費の効果は高まることとなります。

ハワイ不動産の建物評価について

そこで、お勧めしているハワイの不動産の建物評価はどうでしょうか。

実はハワイの不動産は建物比率が非常に高く、コンドミニアムの場合は70%以上が一般的になり、建物比率が高い物件ですと97%ほどの物件も存在します。

この建物比率が減価償却費に与える影響力は当然ながら絶大で例えば、建物比率が90%のコンドミニアムを10,000万円で購入した場合、10,000万円×90%=9,000万円分を減価償却費と見ることができるからです。

一概に9,000万円全額が個人の給与所得と損益通算ができるかと言うとまた少し異なりますが、その答えは後ほどご説明させていただきます。

また、アメリカの税法ではコンドミニアムは39年の法定耐用年数、ホテル機能がついたホテルコンドミニアムですと27.5年の耐用年数となり、新築でも中古不動産であろうと法定耐用年数は同じ期間になります。

一方、日本税法上ではいわゆる鉄筋コンクリート造のマンション、アメリカでいうコンドミニアムは47年の法定耐用年数、ホテルコンドミニアムは39年の法定耐用年数となります。

しかし、ここからがポイントです!

日本の税法では中古不動産になりますと耐用年数が短くなります。

利用すればするほど、当然ながら建物の内装や設備は古くなりますので、ここではアメリカの税法が少し特殊な気もしますが、日本の税法上では、「その中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の再取得価額(中古資産と同じ新品のものを取得する場合のその取得価額をいいます。)の50%に相当する金額を超える場合には、耐用年数の見積りをすることはできず、法定耐用年数を適用することになります。(国税庁ホームページから抜粋)」となります。

つまり、5,000万円の物件に対して2,500万円を超えるリノベーションなどを行わなければ、中古不動産として購入したコンドミニアムは47年以下の法定耐用年数になるということです。

少しずつ難しい話になってきましたが、さらにもう一つポイントがあります。

では、耐用年数の計算方法はどのようになるのか、ということです。

例えば、築年数が50年のコンドミニアムを保有している場合、法定耐用年数が47年以上となりますが、耐用年数は何年間になるのでしょうか。

日本税法上の答えは次の通りです。

使用可能期間の見積りが困難であるときは、次の簡便法により算定した年数によることができます。

ただし、その中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の取得価額の50%に相当する金額を超える場合には、簡便法により使用可能期間を算出することはできません。

  1. 法定耐用年数の全部を経過した資産
    その法定耐用年数の20%に相当する年数
  2. 法定耐用年数の一部を経過した資産
    その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数

なお、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とします。(国税庁ホームページから抜粋)

非常に難しい言い回しですね。

国税庁は何が言いたいのか明確に回答します。

日本の税法では事業の用に供する冷蔵庫やデスク、イスなどにもそれぞれの耐用年数が存在すると上述しましたが、耐用年数を計算するための第一ステップとして、所有不動産の室内にある各設備の耐用年数を全て計算し、そこから対象不動産の耐用年数を算出することが必要になります。

果たしてそのようなことは現実的に可能なのでしょうか。

一度に必要な家電などの固定資産を購入し、購入当時の領収証をお持っていればまだ算出は可能かもしれませんが、全ての領収証を見返し、購入時期と購入価格を調べ、一つずつ耐用年数を調べるのは途方もない作業かと思います。

また、現実的に購入時期や購入価格がわからないものも多数出てくる場合があり、この第一ステップの試算方法はなかなか難しいケースが多いかと思います。

では、第一ステップが不可能な場合、第二ステップはどうなるのでしょうか。

税法では法定耐用年数の全部を経過した試算であれば、その法定耐用年数の20%に相当する年数が耐用年数であると定められています。

つまり、築年数50年のコンドミニアムを購入した場合は、コンドミニアムの法定耐用年数である47年×20%=9年(小数点以下切り捨て)となり、9年間の償却期間となります。

築30年のコンドミニアムであれば、(47年-30年)+(30年×20%)=23年となります。

この算定方式を中古不動産の耐用年数の簡便法と言います。

そのため、第一ステップの固定資産の耐用年数の算出が困難であることが前提になりますが、鉄筋コンクリート造のコンドミニアムであれば、47年を超える不動産を購入した場合の耐用年数は7年間、法定耐用年数39年のホテルコンドミニアムであれば、39年×20%=7年間(小数点以下切り捨て)となり、短期間で減価償却費を経費計上することができます。

<具体例>ハワイ不動産を購入することは本当に節税になるのか?

それでは具体的にハワイの不動産をどれほどの税効果があるのか見ていきましょう。

まずは、ワイキキとアラモアナエリアの間に位置する人気物件のイリカイマリーナをもとに減価償却費を加味したキャッシュフローをご説明します。

イリカイマリーナは1968年築のコンドミニアムになります。

コンドミニアムですので、法定耐用年数は47年になり、既に50年以上経過しておりますので、中古不動産の耐用年数の簡便法を用い、イリカイマリーナは47年×20%、9年間の減価償却期間となります。

イリカイマリーナは土地評価が高い物件になり、建物比率は約70%になります。

イリカイマリーナのお部屋は販売価格が$650,000-になりますので、$650,000(販売価格)×70%(建物比率)=$455,000-が9年間の減価償却費の合計額になります。

そのため、年間の減価償却費は$455,000÷9年間=$50,555.55となります。

また、下記が想定されるイリカイマリーナの年間の収入のキャッシュフローになり、管理費や固定資産税などのランニングコストを除いた手取り合計額は$14,444.08-になります。

【2018年レンタル実績】イリカイマリーナ

そのため、考え方として$14,444.08-は収入になりますので、この金額と経費としてみる減価償却費とが損益通算することとなります。

そうなると計算方法は下記の通りになります。

【2018年レンタル実績】イリカイマリーナ(減価償却費込み)

このようにプラス収支であったイリカイマリーナのキャッシュフローが、減価償却費も加味すると$36,111.47-、日本円で約400万円ほどの赤字に変身を遂げてしまいました。

こちらがハワイ不動産を用いた節税のからくりになりまして、$50,555.55-の減価償却費は9年間に渡って経費計上できますので、現在の収益性から考えると、9年間に渡って節税効果を得ることができることを意味します。

所得税率50%の方の場合は、給与所得とこのイリカイマリーナの不動産所得のみが収入源だとすると400万円×50%=200万円が翌年の確定申告で還付されることになります。

そのため、$650,000-でイリカイマリーナを購入すると減価償却費を加味した後のキャッシュフローは($36,111.47×50%)+$14,444.08-(手取り合計額)=$32,499.81-となり、税効果後の利回りは約5%になります。

日本の投資用マンションでは表面利回り5~6%で実質利回りは3~4%であれば成功ですが、ハワイの不動産は減価償却費を加味すれば、5%もの実質利回りを手にすることができるのです。

また、上述した通り、ハワイには建物比率が90%を超える不動産も多々ありますので、年間1,000万円以上の減価償却費を得ることができる物件もありますので、また別の機会にご案内したいと思います。

不動産投資の出口戦略について

減価償却費の難しい話をここまでしてきましたが、では給与所得が高い方は単純に築年数が高く、建物比率が高いハワイ不動産を買っていけばよいのでしょうか。

答えは「NO」です。

実はもう一つ大事なファクターがございます。

不動産投資の本やセミナーでは良く出てきますが、それが「出口戦略」です。

減価償却費のよくある落とし穴になりますが、このイリカイマリーナだと9年間の耐用年数になります。

実は表向きの価値はハワイの不動産マーケットの場合、あまり変化はないのが今までの潮流になりますが、実は裏側、すなわち簿価上では価値が毎年減っていっており、9年間で建物の価値はゼロになり、土地の価値しか残りません。

つまり極端に安い価格で売却をしない限り、売却の際に不動産譲渡税が課税される可能性が高いということです。

不動産譲渡税の計算方法は【売却価格-(簿価+購入費用+売却費用)】になり、譲渡所得の金額に譲渡した年の1月1日に5年以上、当該不動産を保有していなければ短期譲渡の39.63%の税率が適用され、5年以上経過していれば長期譲渡税となり、20.315%の税率が適用されます。

上記、不動産譲渡税の計算方法からわかるように減価償却費を加味した簿価が少なくなればなるほど、不動産売却時の譲渡税が多額必要になることとなります。

また、長期譲渡と短期譲渡の税率も2倍近く差がありますので、売却の際は、売却する年の1月1日に所有期間が5年を経過しているか、否かで譲渡税の金額が大きく変わります。

特に不動産はそもそもの価格が高く、長期と短期の税率の違いで数百万円の差が簡単に出てしまいます。

そのため、上述したような減価償却費を多額計上できる物件を購入した際は、出口もしっかり頭に入れながらできるだけ長く減価償却費を取り、5年以上その不動産を保有したあとに売却することがお勧めとなりますが、ハワイの不動産マーケットは顕著に右肩上がりに推移しており、購入価格と売却価格がイコール、若しくは売却価格の方が高いというケースも十分考えられますので、出口戦略を考えても減価償却費を用いた所得税対策にはもってこいの資産と言えます。

尚、減価償却費の概念は日本の税法上の内容になり、アメリカやイギリスなどでは加速度償却の概念はありません。

ただし、日本もこの減価償却費を用いた節税が富裕層の間で主流になってきており、消費税増税がある程度かたまったことで国税庁から目をつけられており、今後税制改正の可能性がありますので、その点のみ注意することが必要となります。

*本記事でご紹介した減価償却費を用いた税効果は一般論になり、詳細に付きましては税理士に確認されることをお勧めいたします。