マンションの浸水対策について災害に対応した物件や資産価値、懸念点も含めて解説!

2019年10月に日本列島を襲った台風19号により首都圏では河川が氾濫して多数の戸建てが氾濫しました。

台風を経て被災地域に立つ物件の取引が鈍く、売り出し価格を相場より1500万円も下げて販売している物件もあるほどです。

戸建てが大きな被害に遭った一方で、災害に強いはずのマンションはどうでしょうか?

武蔵小杉の一部のマンションで地階に設置されていた電気室が浸水しましたが、同じエリアにあるマンションの中古取引は比較的堅調です。

他方で、東京都江戸川区の新築マンションでは、1階と2階の住戸の契約が進んでいないことが問題になっています。

ハザードマップ上で2階の高さまで浸水が想定されていることが要因と考えられています。

そこで今回は、マンションの浸水対策について災害に対応した物件や資産価値、懸念点も含めて解説します。

マンションの浸水対策とは?

災害の恐れがあるハザードエリアでマンション開発することはディベロッパーからすれば社会的意義のあります。

また、今後は大きなビジネスチャンスになると言われています。

多くのディベロッパーにとって地震だけではなく、今後は水害への対策も重要な課題になっています。

豪雨への対応と安全性について

マンションの代表的な浸水対策はエントランスや駐車場の入り口に止水板を設置することです。

三和シャッター工業で販売している止水板で、価格は1枚当たり約18万円が相場です。

エントランスのドアなどに取り付け、高さ24cmの浸水を防ぐことができます。

止水板には様々な種類があり、高さがあるほど水位が上がっても対応できる反面、組み立てに時間を要します。

既存のマンションだけではなく、新築時から浸水対策を意識する動きが始まっています。

例えば、野村不動産が販売するプラウドタワー亀戸クロスは、開発予定地が浸水エリアに該当します。

そもで電気室や防災センターなどをコンクリート板で囲い、河川の氾濫時にも水が入らないように対策が施されています。

長谷工コーポレーションも、ディベロッパーに対して災害に対応した設計を行うことが増えています。

マンションの敷地部分の地盤を上げたり、電気室や機械室を地下から上階へ移動したりしています。

これまでは下水道や排水路の処理能力を超えて発生する内水氾濫を念頭に設計されていましたが、今後は河川の水が溢れる外水氾濫を前提とした設計になりました。

浸水対策の懸念とは?

新築マンションの場合、どこまで浸水対策にコストをかけるべきかがポイントです。

コストが上がると販売価格に転嫁せざるえないためマンション価格が上昇します。

災害に配慮したマンションが高い価格で売れるとは限らないため内水氾濫対策には前向きなディベロッパーも外水氾濫対策には消極的です。

また、電気室が地下に多いのは、容積率に算入しなくていいからです。

これを地上に上げると、その分販売できる住戸が減ってしまいます。

安全性と対策にかかるコストとのバランスがディベロッパーにとって難しい判断になっています。

浸水対策などの防災は新たな市場になるのか?

台風やゲリラ豪雨が多発する中、戸建てよりもマンションに対するニーズは高まっています。

実際、2019年の相次ぐ台風や豪雨による災害の後、戸建てからマンションへ買い替える人が増えました。

木造住宅密集地域や災害の恐れがあるハザードエリアでのマンション開発は、ディベロッパーにとってビジネスチャンスとなると同時に、購入者にとっても資産価値を維持できるようになります。

まとめ

ここまで、マンションの浸水対策について災害に対応した物件や資産価値、懸念点も含めて解説しました。

また、電気室を地上に上げると、容積率に算入しないといけないため、その分販売できる住戸が減ります。

販売できる住戸が減ることは、採算を合わすために販売価格に転嫁されます。

安全性と対策にかかるコストは非常に悩ましい点ですが、しっかりと防災されているマンションの市場価値は高まることが予想されます。